フリーソフトの「フリー」の意味/今、言論の自由が日本の製造業に必要だと思う
1. フリーソフトって、「フリー」じゃないよね?
LinuxやGNUプロジェクトのEmacsなどのオープンソースソフトをフリーソフトと呼ぶこともありますし、GNUをやってるのはFree Software Foundationです。
でもGPLなんていうめんどくさいライセンスがあって全然自由に使っていいわけじゃない。じゃあ、「フリー」ってどういう意味?っていう話。
GNU プロジェクトのホームページに書いてあるのですが、Freeにも二つの意味があって、
ただのビール: Free Beer の Free
言論の自由: Freedom of Speech のFree
のどちらか?というとGNUの場合は言論の自由のFreedomのフリーなんだそうです。Libertyに近いのかも。
2. Freedom of Speechがないとどうなるか
ええ。職場にFreedom of Speechがないと日本の製造業のソフトウェア開発現場みたいになっちゃうのですよ。
〇〇部長が言ったことだから正しい、このツールは費用をかけてるんだから効果があると報告しろみたいなことをやってると、ソフトウェアをまともに設計するための論理的思考能力、論理的に仕事を進める組織が作れなくなってしまう。
その結果、ぐっちゃぐちゃの設計書、ソースコードを作ったあげくに「組み込みソフトウェアは難しいんだ。我々の製品は複雑で高度な技術が必要なので費用がかかる」みたいな話にしちゃうのですよね。
3. とりあえず、ゴルフ7に試乗してからそのセリフを言え
ゴルフ7、すごいですよ。
見えないけれど、中のソフトウェアもすごいと思う。ギヤが切り替わったときの回転計の動きがデコレートされてるんだって。スパッと回転が上がるように針を動かしてるけど、エンジンの回転そのものじゃなく、カッコイイ動きをするように制御してる。もう日本のソフトウェア技術じゃ無理ですよ。あれは。
あれができるのはまともな議論をして、まともな技術を取り入れて、まともな設計をして、じゃなけりゃ作れない。「〇〇部長が〇〇指向技術で生産性2倍って言ってるから従え」じゃあやりきれない。
企業の個々人がFreedom of Speechを持ち、思考を正常に保ち、正しい技術を取り込む。それがなけりゃ、もうヨーロッパ人には勝てませんよ。
いや、むしろ早く負けて滅んで欲しいけどな。