「スピード感を持て」を言う外注業者はニセモノ

 スピード感を持って仕事をしろ、というのは工数を増やしたい外注業者の嘘なんじゃないですかね。
 だって、イギリス人なんて18時過ぎたら仕事しないもの。それなのに契約期限までにはきちんとしたものを作ってくれる。マネージメントもしっかりしている。

 日本人のスピード感を持った仕事というのは、

・口頭だけでその場で相談、指示する。
 確かにメールを打つ時間さえ使わないから早い。
 しかし、文書に残さないからあとからほかの人に伝えるのも全部口頭。都度、時間がかかってしまう。
 さらに、相談のたびに合意内容は変わってしまうし、説明も全部できるわけじゃないから、あとから話がどんどんずれていく。結局、全体で集まって会議しましょうかみたいな調整が必要になったり、ぐずぐずのまま放り出したり。

・場当たり的対処の積み重ね
 期限までに間に合わせるためには全体を変えられないから
 - フラグを一個追加して条件分岐しましょう
  さて何が起きるか。
  フラグ一個追加で状態遷移図の「状態」が倍になる。
  状態一個追加で、追加工数はどのくらい請求されますか?小さいシステムなら1週間人。そこそこ大きくなれば1人月くらいは平気で消費してしまう。100万円追加お願いしますと現場からは言われる。

  それが倍ですよ。30個も状態があるシステムだったらどうします?っていうことを考えずに口頭で「フラグ追加しといて」が積み重なって、「このシステムは複雑で難しいシステムなんだ」と胸を張る。そこまで行くともう手がつけられません。

 - 設計書なんて不要
  不要なんじゃなくて、説明能力がないから書けない。書けないのをごまかして書かないから、どうも動きそうだなと思うソースコードを書いて正常系が動いたらそれからフローチャートを起こして納品。そんなもんあとから見て理解できないから、ソースコード解析がまた必要になって仕事は遅れるし金はかかるし疲弊する。けど工数は増えるから受託開発工数が増えて、みんなで「このシステムは巨大で複雑で難易度が高いから」を大合唱。


 イギリス人を見習ってきちんと仕事したらほんとソフトウェア開発現場は良くなるのにね。