学費と収入 - 原発事故後の教育をどう考えるか

 原発事故、汚染拡大に伴って国外に出られた方も残った方も、子供の教育をどこで受けさせるべきか悩んでいる方が多いようです。
 福島の大学に今年、進学させる親御さんがいたことは本当に驚きましたが、では、今、小学生、中学生の子供を東京/神奈川の大学に行かせるべきなのか。

1. 学費
 まず、アメリカの私立大学に行かせると学費だけで1000万円。生活費を含めると2000万円でしょうか。

http://peers-kansai.at.webry.info/201105/article_6.html

 日本だと、年間が国立で60万円くらい?私立理系だと150万円くらいだそうです。4年で250万円から600万円。自宅から通学すれば、生活費もそれほどはかからない。

2. 本当の就職率
 大卒の就職率って、3月に80%とか90%って発表されますが、本当は? 60%という話もあります。就職してもすぐにやめてしまう。正社員に就職しても、実はワタミに勤めてるかもしれない。

http://consultant.news.biglobe.ne.jp/201106/article_1.html

3. ペイできなくなったアメリカの大卒
 アメリカは、学資ローンのデフォルトが問題になっています。いまや自動車のローン、カードローンより残高が大きく、かつ、自己破産してもチャラにできない。死んでも、遺族からとりたてる。サブプライムより悪質かもしれません。しかも、大学を卒業しても、ローンを返せる収入の職につけない。
http://wholekernel.blogspot.jp/2012/01/blog-post_20.html

 日本では、学資ローンより、育英会奨学金が返せない卒業生が問題になっています。金銭的に余裕のない家庭が、子供をアメリカの大学に行かせるのも、投資としてみると危険かもしれない。

4. 大学に行かないという選択肢
 正社員同士で生涯賃金を比較すると、高卒と大学院卒は、そんなに違わない。1割程度しか違わないようです。せいぜい2割。ただ、それは同じ条件の正社員で比較した場合です。サラリーマンが2〜3億の生涯賃金だとして、高卒と大卒で同じ条件になるものか’。非正規雇用になれば、1億以上の差がつくのは明白です。(大卒でも高卒でも)
 学費を節約して、得をすることもない。かといって、国内で学費をかけても、日本という国は産業も衰えるし、社会も破滅するのは目に見えている。一方、アメリカもヨーロッパも社会がまともとは言えない。

5. じゃあ、うちの子はどうすればいいんだ?
 正直に言うと、今の子供たちに一生、日本で生活しろというのは残酷です。日本の社会や教育、産業を見限って外国に出るべきだとは思うのですが、では、どういう教育を受けさせて、どういう職業につかせるのか。高校生くらいになれば自分で考えることもできるでしょうが、その時に、海外で職業に就くことを考えはじめても遅い。親として、大枠をひいてあげなければいけない。
 恐らく、「オーストラリア、NZ、カナダ、あるいはアジア(中国、韓国のぞく)のような国に移民して生きていける人間に高校までに育てて、大学は海外に行かせる。オセアニアかアジアかは、その時に考える」くらいしか、子育ての選択肢はないように思えてきました。できれば高校から海外。「グローバル=アメリカ、ヨーロッパ」ではなく、アジア、オセアニアで働ける人材にどうやって育てるかが教育のポイントだと思っています。

 アメリカより金がかかりそうだから、3000万円くらいは必要になるかしら?