人間らしく生きるということ

物質優先の社会を脱して人間らしく生きることを選ぶ、という言葉に引っ掛かりを感じてしまったので自分の意見を。

歯医者を辞めた本家のはとこ
うちの本家はお金持ちでして、はとこが歯医者さん開業してたんです。かなり儲けてアーリーリタイアメントしちゃって「これからは、僕の好きなことをしていく」宣言。ここまではかっこいい。
ボランティア活動でもやるのかなと思っていたのですが、お宅に伺ったら作業着を着てて、聞くと畑仕事してるんだって。(もうだいぶ前になります。311よりずっと前です)

畑で作物作るのが「好きなこと」なんかな?


どっちが人間らしい仕事か
畑仕事って頭も使うし経験、情報も大切だけど、基本は定型的な肉体労働でしょ?
IT土方的な体力勝負のソフトウェア開発じゃなく、ほんとに高度な情報処理系の仕事をするのって勉強しっぱなしじゃないとできないし、めちゃくちゃ頭を使う。機械や家畜じゃ置き換えられない、本当に人間でなければできない人間らしい仕事だし、それを続けるのは人間らしく生きることなんじゃないかなとも思うのです。土の地面なんかないコンクリートの上に住んでいてもね。人間以外にはできないからね。自然の中で自然と生きていくってのは動物にもできるからね。

ことは情報処理に限らず、人間しかできないことって、自然とは相反するものが多いんじゃないかと気づいてしまいました。


自然に帰っていくということ
だから、物質文明から距離を置いて自然の中で生活していくっていうのは「人間らしく生きる」じゃなくて、「動物本来の生態に戻る」と表現すべきなのではないかな。「人間性を脱する」かな。

そういう生き方のほうが正しいとは思うんです。人間ってもともと野放図に繁殖してしまうがん細胞みたいな生物だからね。ただ、それは人間本来の多くの性質を否定することになるんだろうと思います。宗教もけっこう、人間本来の姿を否定してるしね。