池田信夫先生の経済論が、松下政経塾に届かない理由

1. 昔話
 昔々、ほぼ同じ年の松下政経塾の方と酒席で話したことがあります。
 情報処理関係でいきなり「トロンチップが日米貿易摩擦の火種になる。トロンOSとの組合せでOS、ソフトウェアもアメリカを刺激してしまう。なんとかしないと」と言われて、LOL

 見たんですか、TRON OS。(僕は見てたけどね)。マッキントッシュって使ったことあるんですか。
 トロンチップの設計で坂村健が言ってること、J.D. Myersそっくりそのままじゃありませんか。

2. なぜ、「TRONアメリカにとって脅威」と言い切ってしまうのか
 恐らく、専門家の意見を調べてないと思うんですよ。CPU設計なり、OSなりの。あるいは、情報処理分野を広く見る目利きの意見を。
 多くの専門家の意見を集めて、恐らくこれが事実だろう、正しい予測だろうという知識や事実のベースを作ってから、じゃあそれに対するもっとも効果的な対策は、と筋道をつけるのが政策決定のあり方だと思うのですが、逆なんですね。まず、対策が先に来てしまう。あるいは対策に対するお金とか、面子、立場。それらについて議論するのが先で、対策のためのベースになる事実などは一番都合のよいもの、自分が聞いて知っているものをもってきて十分としてしまう。

3. 池田信夫先生やらぷりりんやら
 放漫財政と増税の繰り返しって、どうにか止まらないものかと思いますが、いまや日本人は半分が大学に行く時代。僕らの時代も4人に一人くらいは大学卒でしょう。何がどうおかしいかくらい、理解できる。床屋のおやじだっておかしいと言っている。(経営者なんだから、僕らより経済や政治についてはきちんと肌で理解してる)
 ぷりりんも池田先生ほど、整理されてないけど、庶民の本音を書いてて、やっぱり正しいなと思うし、リフレ論への反論は現実的で理解しやすい。


 池田信夫先生の言ってることが正しいことくらい、かなりの割合の日本人は理解できると思います。だから、正しい政策を述べる政治家がいれば、投票できます。その政策を言う政治家がいない。皆無。共産党を含めて日本には皆無。

 正しい意見を取り入れて政策を議論するのではなく、結論や自分の聞いた、自分に都合のよい話だけをもとに議論を進める松下政経塾を許してはならないし、それは松下政経塾だけじゃなくて、弁士の個人攻撃ヤジを練習することが政治家になる修行だと信じている、早稲田雄弁会とか、雄弁会関係の各大学の組織も同じです。

4.だから投票できない
 もう、次の選挙も投票する個人も政党もない状態ですが、どうにかなんねえのかな、この状況は。自分で立候補しても当選できないしね。
 一番、正しいのは国を見限って、少しでもまともな国に逃げ出すことなんですよね。