決して求人が少ないわけではないが、ハロワには職はない

1. ハロワに職はない
 「老害は『職をよこせ』デモやってないで、ハロワ行けよ」というツイートがあったのですが、ハロワには僕ら老害向けの求人(条件のいいやつ)はありません。せめて、産業雇用安定センターか人材銀行ですね。人材銀行はそこそこの求人が飛び込んできますね。

2. 僕らの周りに職はある
 若い人も含めて求人が少ない、就職難だって言ってる人が多いけど、僕の周囲では
「〇〇社さんに次の仕事を断られた。どうしよう」
「開発者が集められない」
「人がいればもっと受注増やせるのに」
「いい人がいたら紹介お願いします」
って言葉が溢れてます。上司が毎日のように面接して、人を集めてるよ。なんなんのこの矛盾。

3. 欲しい人がいない
 と、不思議に思ってたんだけど、自分がいざ、技術者を集めて開発しようかなという段階になって分かりました。

  • 目の前に並んでるおっさんたちは使い物にならない
  • 自分が欲しい技術をきちんと持っている人は見当たらない

 設計書をきちんと書ける人。オブジェクト指向プログラミング言語オートマトン形式言語、みたいなところをきちんと理解していて、用語を言えばプログラムに落とせるような人。いないんです。
 目の前にいるのは僕の言葉を理解できなくて、自分たちの話している言葉の意味さえ説明できない人たち。なぜ説明できないかと言うと、自分が話している言葉を理解していないから。オウムみたいに耳で聞いた音を、オウム返ししてるだけ。
 恐らく、こういう人がハロワで職を探すんじゃないかな。

4.魔法の言葉
 情報処理の世界でなんでこの人たちが食っていられるのか。不思議ですが、実は彼らは魔法の言葉を持ってるんです。
「俺に分かるように説明しろよ」
「そんな誰も理解できないもん、実用にならねーよ」

 結局、現場の低いレベルに合わせる方向しかならなくて、いつまでもつまんないふつーの方式、設計しか理解しなくて、Excelで設計書を書いてる。なんで専用ツールを使わないかと問うと、
「導入のためのお金がない」
「使い方を知らない」
「勉強する工数は誰が出すんですか」
Excelなら誰でも使えますよ。みんな持ってるし」

 じゃあ、Excelでシーケンス図を書きましょう、ということになって、メンテナンスできない大量のシーケンス図を書いて1枚の単価おいくら、で請求して経営者はうまい案件だったと満足するわけです。工夫しない(そこそこの抽象化もしない)ので、設計書もソースコードも大量に膨れあがり、受注金額が増えてウマウマ。でも開発はうまく進まない。デスマデスマ。
 で、プロジェクトがデスマだらけになって会社の経営が傾いてリストラされるとハロワ行くわけ。

5.教育
 やっぱり、教育しなきゃいけないと思うんです。ハロワで仕事を紹介する前に。
 会社がー、だけじゃなくて自分自身も教育を意識してしないと。

 現場で仕事を覚えましただけだと、これからどんどん使えない人になっていくでしょう。僕ももう、日本人を雇うのをやめて、中国人を雇おうかなと思っています。設計書もコメントも日本語は禁止にして全部英語にして。中国の優秀なヤツ(日本人なみの単価払えば雇えるだろ)なら、形式言語くらいは当然、理解してるでしょう。


 日本人のソフトウェア産業プログラマ、SEってほんとやばいと思う。雇う価値ない人が多すぎ。というか、優秀な人はWeb/オープン系に流れてるってことなのかな。製造業のソフトウェア屋がやばいのかな。