向精神薬の投与に「ジェラルド・ワインバーグのテスト」を。

1. IT系職場のメンヘルは日常茶飯事
チダイさんという方の「向精神薬なんか投与しなくても、カウンセリングで治る」という発言に、水無月さんが「統合失調症/精神分裂はカウンセリングでは治らない」と反応されていました。本格的な統合失調症は薬が必要、は分かるんだけど、なんかモヤモヤする議論です。

今の職場にもメンタル的にヤバい人がいます。目覚まし時計を3つかけても朝、起きられない。お客さんとの会議の日の10時頃に電話をかけても電話に出てくれない。妙に落ち着きがなくて目がギラギラしている。

前の職場にもいました。とにかく休む。ひどい時は週の半分くらいは休む。目がどろーんとしている。昇進のためにいろいろと指導してあげても「それ、もともとダメな仕事なんですよね」「やって意味あるんですか」みたいなことを言い出す。(おまえ、この会社にやって意味のある仕事なんてあるわけねえだろ、というセリフを飲み込みつつ指導する立場の辛さ)。
あるいは、元気で良い働きをする人だなと思っていた人が「彼はメンタルで休んだ経歴があるから」みたいなことをこそっと影で言われている。

2. 向精神薬を飲んで大丈夫なんだろうか
一度、向精神薬を飲んで職場復帰して、うーん、ストレートな表現をすると昇進した人っているんだろうか。たとえば、係長クラスの時にSSRI, SNRIなどをガッツリ飲んで部長になった人。いないでしょ。いないでしょ。SSRI飲むってことは、サラリーマンとしての人生捨てますってことなんですよね。もう出世もまともな業務をさせてもらう機会も捨てて、廃人になっても自殺は防ぐ、というのが向精神薬の効能なのではないかな。

それをサラリーマンとして受け入れるかどうかってのは、よっぽど慎重に考えなければいけない。簡単に「今は良い薬があるから」などと飲ませてはいけない。

3. ワインバーグのテスト
ソフトウェアの信頼性、品質を測る簡単なテスト方法に「ワインバーグのテスト」というものがあります。たとえば、飛行機の自動操縦システムのソフトウェアを作ったら、作った人にその飛行機に乗ってもらう。自動車の自動運転であれば、システムをコーディングした人が乗る。うーん、、、作った人だと危なくても乗っちゃうだろうから、子供をその自動運転のクルマで保育園へ送り迎えさせる。3年間。拒否したらテストNG。

あるいはマイクロソフトの「Eat your own dog food」。お前が作ったメシは、まずお前が食え。まったく新しいOSを開発しているなら、お前がそのOSを使え。開発段階で「使えるようになってきた」というなら、そのOSの開発自体で、全員がそのOSを使え。(Windows NTの開発でデーブ・カトラーにやらされたらしい)

4. 向精神薬投与にもワインバーグのテストを
向精神薬を自分の子供に投与してるよ、という医者に会ったことがありません。60歳くらいのお医者さんなら30代のサラリーマンのご長男がいてもおかしくないし、30代のサラリーマンなら「メンタル系で産業医に相談」みたいな場面は一度くらいは経験してるかと思います。40代のお医者さんなら中学生くらいのお子さんがいてもおかしくないですね。「うちの子がいじめにあって精神的に辛い時にパキシルを飲ませてあげたら、もうびっくりするくらい良くなって。ですから心配ないですよ」などと体験談を話してくれれば安心ですが、そんな医者いないですよね。

医者もプライベートは話せないのでしょうが、どうも不自然。精神科医の子供がバリバリSSRI, SNRIを飲んでいる姿をご覧になった方、ぜひ教えて下さい。