パナソニックはとってもうまい経営をしている(かも)
合目的な事業判断をしてるかもしれない、と思うのですよ。
目的が普通と違うから。
製造業として利益を出す、良い製品を作って世の中を良くするってのが幸之助さん時代の「目的」でしたが、それが「海外に資産を持ち出す、海外に利益を与える」だとしたら、他の会社を買収して、首切って資産を売却して現金にして、それを配当にして海外に資金を流す、っていうのが目的と考えるととっても筋書通り。
20年持つOSをアプリを作れるのか
1. IS03、発売から3年
うちゃかさん(中央官庁勤務の女性らしいですね)が「町工場なら20年持つスマホを作れる」とツイートしてたいへんRTされてますが、2010年発売のスマートフォン、たとえばIS03なんて3年しか経ってないけど、新品をもらったら使いますか?
2. 20年持つOSをアプリを作れるのか
Windows 3.x系列-98は途絶えたけど、Windows 8がWindows NT系列だとすれば、20年は寿命が続きそうですね。携帯のソフトウェアもガラケーは中身は10年くらいは同じのを使ってたりします。僕が2003年前後に設計したソフトウェアはそろそろ限界みたい。製品はまだ出てるけどもう寿命でしょう。凡人は10年が限界か。
ただね。今の製造業はひどいですよ。使い続ける価値がないようなソースコードがごちゃまぜになったものを、「高効率、短期開発」みたいなことを言ってかき回し続けている。
3. すごいのはUNIX
その点で、UNIX (Linuxも含めて)とC言語ってのはすごいですね。
UNIXは1969年だからもう44年前なのに、もう世界中を支配し続けてる感があります。その間、ずっと世界中でopen, read, write, closeしてる。(←そこがUNIXの本質なのですよ。デニスリッチーが講演で言ってた)。作ったデニスリッチーが先に死んじゃったもんね。
Cは1972年。41歳ですか。
世界中のソフトウェア技術者が、下らない製品作り、マネージメントで人生をすり減らすのを何%かやめて、そういうソフトウェアつくりに力を注がないとね。
さあ、明日も出張でごみをかき回してこよう。新幹線予約しなくちゃ。
浄化された管理社会
知ってる人は知ってるのだけれど、去年の年末からずっと愛知県の某市で仕事してるのですよ。コンサルタントというぼったくり仕事を。
行く前にちょっといやだったのが、あのあたりってなんていうか風紀上よろしくない地域が地図を見るとあって、しかも顧客の会社と駅の中間だったりするのね。大通りに面してるわけじゃないけど、通り一本それるともう、どピンクみたいなイメージなの。地図を見る限りは。
それでねえ。宿泊先から駅に行くときに、そのどピンクのど真ん中を通るのが近いのですよ。そういうところにまったく行ったことがない私としては、黒い服着たお兄さんに声かけられたりしたらどうしようとか、いろいろめんどくさそうだなと思ってわけです。
でも、そういうのまったくないのね。お兄さん寄ってかない、いい子いるよ、みたいな客引きまったくなし。あれは迷惑防止条例みたいなので規制されちゃってるんだろうなあ。
首都圏でほとんどの人がヘラヘラ笑いながらマスクもせず日本の魚を食べてますが、そういう奴隷くん根性とか諦めとかも迷惑防止条例みたいなので吸い取られちゃってるんでしょうね。なんというかな、自由に考えること自体を規制しちゃってる。ほんま、気持ち悪いわ、この国。
日本のソフトウェア産業の本当の危機について
昨日のブログにも書きましたが、日本人のサラリーマン(=大多数のソフトウェア技術者)からは、論理的思考能力が奪われています。
それは、日本の科学技術を高めるべき大学教授が、自分の感情や立場で論理を捻じ曲げる発言をしたり、それを弁明するために恥の上塗りを重ねる。今日の選挙結果を受けてやらかしてしまったテルミンがそのよい例ですが、論理を自らぶち壊すのが出世の鍵なので、自ずと研究にもそれが現れてしまう。
そうなると論理の塊であるソフトウェアにもそれが現れてしまう。まともなソフトウェアが作れない人間ほど出世の階段を上って、めちゃくちゃを拡大再生産する。
産業界はもっとひどい。そういう大学を卒業してきた人が徒党を組んで、先人がためてきた金をぶちまけるようにかけてスピード感を持って論理をぶち壊している。
もう、無理だよ。この国は。
論理が失われた街で
Twitterである女性と阪大教授のやり取りが続いていました。山本太郎さんが差別主義者かどうかという論拠を巡ってなのかな。詳しくはヒンドゥークシ氏のTogetterまとめもありますからそちらで。
ただ話の土台というか、論理体系が違うところで140文字でやり取りをしているので結論には至らないと思うのですよ。「山本太郎は差別主義者である」。日本語で13文字。26バイトくらい。これをどう解釈するか。
(1) まず、差別主義者の集合を定義する。
(2) 山本太郎に関する情報を収集、定義する。
(3) 次に山本太郎が差別主義者の定義に合致するか否かを判定する。
(2)はできたとしても、(1)と(3)はまちまちな定義や判定ができてしまうだろうから、一人ごとに結論が異なってしまう。
普通は議論できます。一般的にはこのように定義されているという議論が。しかし日本の社会は自由資本主義社会で民主主義国家です。論理的に正しいことが社会的に正しいとは認められません。社会とは地域社会であったり、会社だったり、学校だったり。
「重み付き多数決」なんですよ。
地位や財力のために発言力の強い人が言えば真実になってしまうし、論理的に正しくても、90%の人間が「震災のあとに逃げたようなヤツは差別主義者に決まってらあ」とネトウヨ発言をしたら、それが投票の結果、真実にされてしまう。
そもそも日本人の9割くらいは論理的な文章を書いたり、論理的な議論をする能力を持っていません。そのように訓練されていないからです。資質のある人は半分くらいはいると思うけれど、社会人になって会社や地域社会の中ででたらめな指揮命令に従っているうちに論理的な思考ができなくなってしまう。
その9割が秋葉原で日の丸を振り回して騒いでるネトウヨに煽られて差別主義者だと言ったら、「山本太郎は差別主義者だ」が真実と判定される。それが民主主義です。
つまり、自由資本主義下での民主主義というシステムが、人間から論理的思考能力を奪う。その状況下で論理的な議論をするというのは、非論理的な行為のように思えます。
震災の2年後の初夏 うさ記
「スピード感を持て」を言う外注業者はニセモノ
スピード感を持って仕事をしろ、というのは工数を増やしたい外注業者の嘘なんじゃないですかね。
だって、イギリス人なんて18時過ぎたら仕事しないもの。それなのに契約期限までにはきちんとしたものを作ってくれる。マネージメントもしっかりしている。
日本人のスピード感を持った仕事というのは、
・口頭だけでその場で相談、指示する。
確かにメールを打つ時間さえ使わないから早い。
しかし、文書に残さないからあとからほかの人に伝えるのも全部口頭。都度、時間がかかってしまう。
さらに、相談のたびに合意内容は変わってしまうし、説明も全部できるわけじゃないから、あとから話がどんどんずれていく。結局、全体で集まって会議しましょうかみたいな調整が必要になったり、ぐずぐずのまま放り出したり。
・場当たり的対処の積み重ね
期限までに間に合わせるためには全体を変えられないから
- フラグを一個追加して条件分岐しましょう
さて何が起きるか。
フラグ一個追加で状態遷移図の「状態」が倍になる。
状態一個追加で、追加工数はどのくらい請求されますか?小さいシステムなら1週間人。そこそこ大きくなれば1人月くらいは平気で消費してしまう。100万円追加お願いしますと現場からは言われる。
それが倍ですよ。30個も状態があるシステムだったらどうします?っていうことを考えずに口頭で「フラグ追加しといて」が積み重なって、「このシステムは複雑で難しいシステムなんだ」と胸を張る。そこまで行くともう手がつけられません。
- 設計書なんて不要
不要なんじゃなくて、説明能力がないから書けない。書けないのをごまかして書かないから、どうも動きそうだなと思うソースコードを書いて正常系が動いたらそれからフローチャートを起こして納品。そんなもんあとから見て理解できないから、ソースコード解析がまた必要になって仕事は遅れるし金はかかるし疲弊する。けど工数は増えるから受託開発工数が増えて、みんなで「このシステムは巨大で複雑で難易度が高いから」を大合唱。
イギリス人を見習ってきちんと仕事したらほんとソフトウェア開発現場は良くなるのにね。